シストリックアレイとは?並列演算を高速化する仕組みをわかりやすく解説
シストリックアレイ(Systolic Array)とは、多数の演算要素(プロセッシングエレメント)を規則的に並べ、データを脈動(シストリック)のように流しながら並列処理を行う計算アーキテクチャです。主に画像処理、信号処理、AI(ディープラーニング)分野で注目されており、高速かつ効率的な演算を実現します。
シストリックアレイの基本概念
シストリックアレイでは、演算要素が格子状や直線状に配置され、各要素が隣接する要素とデータを受け渡しながら演算を行います。このデータの流れが心臓の拍動(systole)に似ていることから、この名称が付けられました。
中央集権的な制御を行わず、各演算要素が単純な処理を繰り返すことで、全体として大規模な並列計算を実現する点が特徴です。
シストリックアレイの仕組み
データは一定のリズムでアレイ内を移動し、各演算要素は以下を繰り返します。
- 入力データの受信
- 内部演算の実行
- 演算結果の隣接要素への送信
これにより、メモリアクセスを最小限に抑えつつ、パイプライン処理が可能になります。
主な用途と活用分野
シストリックアレイは、同じ演算を大量のデータに対して繰り返す処理に向いています。代表的な用途は次の通りです。
- 行列演算(行列積)
- 画像・音声などの信号処理
- ディープラーニングの推論・学習
特に有名なのが、GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)で、内部でシストリックアレイを用いることで、AI演算を高速化しています。
CPU・GPUとの違い
CPUは汎用処理、GPUは大量の並列演算を得意としますが、シストリックアレイは特定の計算パターンに特化した専用構造です。そのため柔軟性は低いものの、消費電力あたりの性能が非常に高いというメリットがあります。
メリットとデメリット
シストリックアレイの主な利点は、高速処理・省電力・高スループットです。一方で、アルゴリズムの変更が難しく、用途が限定されるという課題もあります。
まとめ
シストリックアレイは、データを規則的に流しながら並列演算を行うことで、高速かつ効率的な計算を実現するアーキテクチャです。AIや行列演算が重要となる現代において、専用ハードウェアとしての価値がますます高まっている技術と言えるでしょう。
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