擬推移律とは?関数従属における重要ルールをわかりやすく解説
擬推移律(ぎすいいりつ)は、データベース理論、とくに関数従属の推論規則の一つとして知られています。正規化やデータベース設計、情報処理技術者試験などで頻出の用語であり、理解しておくことで関数従属の導出がスムーズになります。
関数従属とは
関数従属とは、リレーショナルデータベースにおいて、ある属性の値が決まると、別の属性の値が一意に決まる関係を指します。一般に「X → Y」と表記され、「Xが決まればYが決まる」ことを意味します。
擬推移律の定義
擬推移律とは、次のような推論規則です。
X → Y かつ YZ → W が成り立つとき、XZ → W が成り立つ
通常の推移律(X→Y、Y→Z ならば X→Z)とは異なり、右辺・左辺に属性集合が追加されている点が特徴です。そのため「擬(疑似的な)推移律」と呼ばれます。
具体例で理解する擬推移律
例えば、次の関数従属があるとします。
- 社員ID → 部署ID
- 部署ID, プロジェクトID → 管理者
この場合、擬推移律を用いることで、
社員ID, プロジェクトID → 管理者
という新たな関数従属を導き出すことができます。
推移律との違い
推移律は単純に「A→B、B→C なら A→C」という関係ですが、擬推移律では、補助的な属性を組み合わせて新たな関数従属を導出する点が異なります。
擬推移律の役割と重要性
擬推移律は、アームストロングの公理(反射律・増加律・推移律)から導出できる規則であり、関数従属の閉包計算や正規化判断を効率化します。
特に第3正規形(3NF)やボイス・コッド正規形(BCNF)を検討する際に、擬推移律を理解していると、不要な冗長性や更新異常を見抜きやすくなります。
情報処理技術者試験でのポイント
試験では「X→Y、YZ→W から何が導けるか」といった形で出題されることが多く、擬推移律を知っていれば即答できるのがポイントです。定義と形をそのまま暗記するのではなく、例と一緒に理解しましょう。
まとめ
擬推移律は、関数従属において属性集合を組み合わせて新たな依存関係を導く重要なルールです。データベース設計の基礎力を高めるためにも、推移律との違いを意識しながら確実に理解しておきましょう。
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