最初適合・最悪適合・最良適合・最適適合アルゴリズムとは?メモリ割当方式を総まとめ
最初適合アルゴリズム・最悪適合アルゴリズム・最良適合アルゴリズム・最適適合アルゴリズムは、オペレーティングシステム(OS)の主記憶管理における代表的なメモリ割当方式です。プロセスが要求するメモリサイズに対して、どの空き領域(ホール)を選ぶかによって、処理速度や断片化の発生状況が大きく変わります。情報処理技術者試験でも頻出の重要テーマです。
メモリ割当アルゴリズムの基本
主記憶には複数の空き領域が存在し、OSはその中から要求サイズ以上の領域を選んで割り当てます。この「空き領域の選択ルール」を定めたものが、各種適合アルゴリズムです。
最初適合アルゴリズム(First Fit)
最初適合アルゴリズムは、空き領域を先頭から順に探索し、最初に見つかった適合可能な領域に割り当てる方式です。
- 探索時間が短く、割当が高速
- 実装が簡単で広く知られている
一方で、メモリの先頭付近に小さな空きが集中しやすく、外部断片化が進みやすいという欠点があります。
最良適合アルゴリズム(Best Fit)
最良適合アルゴリズムは、要求サイズを満たす空き領域の中から、最もサイズが近い(最小の)領域を選ぶ方式です。
- メモリの無駄を抑えやすい
- 理論上は利用効率が高い
しかし、割当後に非常に小さな断片が多く残る傾向があり、長期的には使いにくいメモリが増える点が問題です。また、全領域を探索する必要があるため、探索コストも高くなります。
最悪適合アルゴリズム(Worst Fit)
最悪適合アルゴリズムは、要求サイズを満たす空き領域の中から、最も大きな領域を選んで割り当てる方式です。
- 極端に小さな断片が生じにくい
- 大きな領域を分割して使用
ただし、最大の空き領域を毎回探す必要があり、探索コストが高い点がデメリットです。また、中途半端なサイズの断片が増える可能性もあります。
最適適合アルゴリズム(Next Fit/次適合)
最適適合アルゴリズム(次適合アルゴリズム)は、直前に割り当てを行った位置から探索を再開し、最初に見つかった適合領域を使用する方式です。
- 探索範囲が限定され、処理が比較的高速
- 最初適合よりも探索の偏りが少ない
一方で、割当の位置によっては不利な領域を選び続ける可能性があり、メモリ利用効率は必ずしも高くありません。
4つのアルゴリズムの比較
| 方式 | 選択基準 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|
| 最初適合 | 最初に見つかった領域 | 高速・実装が容易 | 断片化が先頭に集中 |
| 最良適合 | 最小の適合領域 | 無駄が少ない | 小断片が多発 |
| 最悪適合 | 最大の適合領域 | 極小断片が少ない | 探索コストが高い |
| 最適適合 | 直前位置から最初に見つかった領域 | 探索が効率的 | 割当の偏りが発生 |
情報処理技術者試験でのポイント
試験では、「最大の空き領域を選ぶ方式」「直前の割当位置から探索する方式」など、定義を正確に理解しているかが問われます。名称と特徴をセットで覚えることが得点への近道です。
まとめ
最初適合・最良適合・最悪適合・最適適合アルゴリズムは、それぞれ異なる戦略でメモリ割当を行います。処理速度、メモリ効率、断片化の傾向を比較しながら理解することで、OSの記憶管理の仕組みを体系的に把握できるようになります。
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