水平垂直パリティチェックとは

水平垂直パリティチェックとは、
データ通信や記憶装置において発生するビット誤りを検出するための
誤り検出方式の一つです。
単純なパリティチェックを拡張し、
行方向（水平）と列方向（垂直）の両方から誤りを確認することで、
検出精度を高めています。

パリティチェックの基本

パリティチェックは、データにパリティビットを付加し、
1の個数が偶数または奇数になるように調整する方式です。
受信側で同じ計算を行い、結果が一致しなければ誤りがあったと判断します。

水平パリティと垂直パリティ

水平垂直パリティチェックでは、
ビット列を2次元の表として扱います。

• 水平パリティ：各行（1データ単位）ごとにパリティビットを付加
• 垂直パリティ：各列（同一ビット位置）ごとにパリティビットを付加

これにより、単一ビット誤りが発生した場合、
行と列の交点から誤り位置を特定できます。

検出できる誤りと限界

水平垂直パリティチェックは、
1ビット誤りを確実に検出できる点が特徴です。
しかし、複数ビット誤りが特定の形で発生した場合、
誤りを検出できないケースも存在します。
そのため、訂正能力は持たず、あくまで誤り検出が目的です。

メリットとデメリット

メリットとしては、仕組みが単純で実装が容易な点、
追加ビット数が比較的少ない点が挙げられます。
一方、誤り訂正ができないことや、
高度な誤り検出が求められる場面では
CRCなどの方式に劣る点がデメリットです。

利用例と試験対策ポイント

水平垂直パリティチェックは、
初期の通信制御や教育用途、基本的な誤り検出の説明で用いられます。
情報処理技術者試験では、
「誤り位置が特定できるが訂正はできない方式」
として出題されることが多いため、
仕組みの理解が重要です。

まとめ

水平垂直パリティチェックは、
単純なパリティ方式を拡張した基本的な誤り検出技術です。
通信やデータ管理の基礎として、
水平・垂直の役割と検出可能な誤り範囲を
正しく理解しておきましょう。

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