IPコアとは?大規模ネットワークを支える中核技術をわかりやすく解説
IPコアとは、通信事業者や大企業ネットワークにおいて大量のIPトラフィックを高速・安定的に中継する中核(コア)部分を指します。インターネットや社内ネットワークの基盤として機能し、アクセス網やエッジネットワークから集約された通信を効率よく転送する役割を担います。
IPコアの基本的な役割
IPコアの主な役割は、高速転送・高信頼性・スケーラビリティの3点です。動画配信やクラウドサービス、IoT通信など、トラフィックが急増する現代において、IPコアは遅延や輻輳を最小限に抑えながら通信をさばく必要があります。
そのため、IPコアでは高性能ルータや冗長化構成、動的ルーティング技術が採用されます。
IPコアを構成する主要技術
高性能IPルーティング
IPコアでは、BGPやOSPF、IS-ISなどのルーティングプロトコルを用いて、最適な経路制御を行います。特にBGPは、異なるネットワーク間を接続するIPコアにおいて不可欠な技術です。
MPLSとの関係
多くのIPコアでは、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)が併用されます。MPLSにより転送処理が高速化され、VPNやトラフィックエンジニアリングなど高度な制御が可能になります。
冗長化と信頼性
IPコアはネットワーク全体の要となるため、機器・回線・経路の冗長化が必須です。一部に障害が発生しても通信を継続できるよう、設計段階から高い可用性が求められます。
IPコアとエッジネットワークの違い
IPコアはネットワークの「中心部」を担うのに対し、エッジネットワークはユーザーや端末に近い「末端部分」を指します。エッジで発生した通信はIPコアに集約され、広域ネットワークや他拠点へと転送されます。
IPコアが重要視される理由
- トラフィック増大に耐える高速処理能力が必要
- 通信障害が社会インフラに直結する
- 5Gやクラウド時代に不可欠な基盤技術
まとめ
IPコアは、大規模ネットワークの中核として膨大なIP通信を支える重要な存在です。高性能ルーティング、MPLS、冗長化設計などの技術によって、安定した通信環境が実現されています。ネットワークやITインフラを理解する上で、IPコアの役割を押さえておくことは非常に重要だと言えるでしょう。
(キーワード:IPコア、ネットワーク中核、MPLS、BGP、大規模ネットワーク)

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