共有ロックとは?データベース制御で重要な仕組みをわかりやすく解説
共有ロックとは、データベースやファイルシステムにおいて複数のトランザクションが同時にデータを参照(読み取り)できるようにするロック方式です。排他制御の基本概念の一つであり、データの整合性と処理性能を両立するために欠かせない仕組みです。
目次
共有ロックの基本概念
共有ロック(Shared Lock)は、主に「読み取り専用」の操作で使用されます。共有ロックがかかっているデータは、他のトランザクションも同時に共有ロックを取得可能ですが、更新処理を行う排他ロックは取得できません。
これにより、読み取り同士は並行して実行できる一方、書き込みとの競合は防止されます。
排他ロックとの違い
共有ロックと対になる概念が「排他ロック(Exclusive Lock)」です。排他ロックは、データの更新時に取得され、他のトランザクションによる参照や更新をすべて禁止します。
| 項目 | 共有ロック | 排他ロック |
|---|---|---|
| 主な用途 | 読み取り | 更新・削除 |
| 同時取得 | 可能 | 不可 |
| 他ロックへの影響 | 排他ロックを阻止 | すべてを阻止 |
共有ロックが必要な理由
データベースでは、複数ユーザーが同時にアクセスするのが一般的です。共有ロックを使用することで、ダーティリードや不整合な参照を防ぎながら、高い同時実行性を確保できます。
共有ロックとトランザクション分離レベル
共有ロックの利用は、トランザクションの分離レベルとも密接に関係しています。例えば「READ COMMITTED」や「REPEATABLE READ」では、共有ロックを用いて読み取りの整合性を確保します。
実務での注意点
- 共有ロックが長時間保持されると更新処理が待たされる
- 過度なロックは性能低下の原因となる
- 適切なインデックス設計でロック範囲を最小化することが重要
まとめ
共有ロックは、複数トランザクションによる同時読み取りを可能にしつつ、データの整合性を守るための重要な仕組みです。排他ロックとの違いや役割を理解することで、データベース設計や試験対策においても大きな武器となるでしょう。
(キーワード:共有ロック、Shared Lock、排他制御、データベース、トランザクション)

コメント
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