コールドサイトとは?災害対策に欠かせないDRサイトの基礎知識を解説
コールドサイト(Cold Site)とは、災害や重大障害が発生した際に利用される災害復旧(DR:Disaster Recovery)用の拠点の一種です。主に企業のBCP(事業継続計画)において重要な役割を果たします。
コールドサイトは、必要最低限の設備のみが用意された状態で、通常時はシステムやデータが配置されていない点が特徴です。
コールドサイトの基本的な特徴
コールドサイトには、以下のような特徴があります。
- サーバやネットワーク機器が常設されていない、または最小限
- データはバックアップ媒体などから復元する必要がある
- 復旧までに時間がかかる
- 運用コストが低い
そのため、緊急時に即座に業務を再開する用途には向きませんが、コストを抑えた災害対策として採用されることが多いです。
ホットサイト・ウォームサイトとの違い
DRサイトには、コールドサイト以外にもホットサイト、ウォームサイトがあります。
ホットサイト
ホットサイトは、平常時からシステムとデータが同期されており、障害発生時に即時切り替えが可能です。復旧時間は短いものの、運用コストが高くなります。
ウォームサイト
ウォームサイトは、機器や環境は用意されているものの、データは完全に同期されていない状態です。復旧時間とコストのバランスが取れた方式といえます。
コールドサイト
コールドサイトは、設備のみ確保されており、最も復旧に時間がかかる一方で、運用コストが最小限に抑えられます。
コールドサイトが向いているケース
コールドサイトは、次のようなケースで有効です。
- システム停止による影響が比較的軽微な業務
- 災害対策の初期段階
- 中小企業やコスト制約のある組織
- 長期停止が許容されるバックオフィス業務
復旧目標時間(RTO)や復旧時点目標(RPO)が長めに設定できる場合、コールドサイトは現実的な選択肢となります。
コールドサイト導入時の注意点
コールドサイトを導入する際は、以下の点に注意が必要です。
- バックアップデータの保管場所と復元手順
- 復旧に必要な人員・作業時間
- 定期的な復旧訓練の実施
設備があっても、手順が整備されていなければ迅速な復旧は困難です。マニュアル整備と訓練が重要になります。
まとめ
コールドサイトとは、コストを抑えた災害復旧拠点であり、BCPやDR対策の基本的な選択肢の一つです。復旧に時間はかかるものの、事業規模や業務特性に応じて適切に導入することで、災害リスクを大きく低減できます。ホットサイトやウォームサイトとの違いを理解し、自社に合ったDR戦略を検討することが重要です。
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