チャネル指令語とは?大型計算機で使われる入出力制御の基本を解説
チャネル指令語とは、主にメインフレーム(大型計算機)や一部の高信頼システムで用いられる、入出力装置(I/O)を制御するための命令情報です。CPUが直接I/O装置を細かく制御するのではなく、チャネル指令語を用いて処理を委任することで、高速かつ効率的な入出力処理を実現します。
チャネル指令語の基本的な役割
コンピュータシステムでは、CPUと周辺装置の速度差が大きな課題となります。チャネル指令語は、この問題を解決するために、CPUの代わりにチャネルが入出力制御を担当する仕組みを支えています。
CPUはチャネルに対して「何をどう処理するか」をチャネル指令語として渡し、その後は他の処理を並行して実行できます。
チャネル指令語(CCW)の構成
代表的なチャネル指令語として、CCW(Channel Command Word)があります。CCWは以下のような情報で構成されます。
- 実行する入出力命令の種類
- データの格納先または読み出し元の主記憶アドレス
- 転送するデータ長
- 制御フラグ(連結、割込み指定など)
これらを組み合わせることで、複雑なI/O処理を一連の指令として定義できます。
チャネル指令語の実行の流れ
- CPUがチャネルプログラムを主記憶に配置
- チャネル起動命令で処理開始を指示
- チャネルがチャネル指令語を順次解釈・実行
- 処理完了後、CPUへ割込みで通知
この方式により、CPUとI/O処理の並行実行が可能になります。
チャネル指令語のメリット
- CPUの負荷を大幅に軽減できる
- I/O処理の高速化・効率化が可能
- 複数の入出力装置を並列制御できる
DMAとの違い
DMA(Direct Memory Access)もCPUを介さずにデータ転送を行いますが、DMAは単純な転送が中心です。一方、チャネル指令語は複数の命令を組み合わせた高度なI/O制御が可能であり、より柔軟な処理が行えます。
試験・実務でのポイント
情報処理技術者試験では、「CPUとI/Oの並行動作」「チャネルによる負荷軽減」といった点がよく問われます。チャネル指令語の役割を正しく理解しておくことが重要です。
まとめ
チャネル指令語は、CPUに代わって入出力装置を制御するための重要な仕組みです。高性能・高信頼が求められるシステムにおいて、効率的なI/O処理を実現する基盤技術として、今なお重要な役割を担っています。
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