WALプロトコルとは
WALプロトコルとは、
Write Ahead Logging(先行書き込みログ)の略で、
データベースにおける障害回復と整合性維持を目的とした制御方式です。
トランザクション処理を行う前に、更新内容をログとして先に記録する点が最大の特徴です。
目次
WALプロトコルの基本的な考え方
WALプロトコルでは、
「データ本体を書き換える前に、必ずログを書き出す」
というルールが徹底されます。
このログはディスクなどの永続記憶装置に保存されるため、
システム障害や電源断が発生しても、
処理途中の内容を後から再現・復旧できます。
WALプロトコルの処理の流れ
一般的なWALプロトコルの流れは次のとおりです。
- トランザクションが更新要求を出す
- 更新内容をログに記録する
- ログをディスクへ書き込む
- データ本体を更新する
この順序を守ることで、
データとログの不整合を防止できます。
WALプロトコルのメリット
WALプロトコルを採用することで、以下のような利点があります。
- 障害発生時のデータ復旧が容易
- トランザクションの原子性・永続性を保証
- データベースの信頼性が向上
特に、金融システムや業務系システムなど、
高い信頼性が求められる分野では欠かせない仕組みです。
ロールバック・ロールフォワードとの関係
WALプロトコルは、
ロールバックやロールフォワードと密接に関係しています。
未完了のトランザクションはログを基にロールバックし、
完了済みだが反映されていない更新はロールフォワードで再実行します。
これにより、障害発生前の正しい状態を復元できます。
情報処理技術者試験との関係
WALプロトコルは、
応用情報技術者試験やデータベース分野で頻出の用語です。
トランザクション管理や障害回復の問題では、
基本原理を理解していることが重要になります。
まとめ
WALプロトコルは、
データベースの信頼性と整合性を支える重要な仕組みです。
「ログを先に書く」というシンプルな原則によって、
障害時でもデータを安全に復旧できる点が大きな強みと言えるでしょう。
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